障害者支援施設・生活介護・居宅介護・デイサービス・グループホーム 【岡山市中区 社会福祉法人 弘徳学園】

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弘徳学園は一人ひとりを大切にし、いきいきと活動できる“ふつうをささえる”自立生活支援を行っております。




施設の責任を考える

 「相模原障害者殺傷事件」から2年が過ぎました。この間、この事件に関する書物は数え切れないくらい発行されていますが、どれも、施設の元職員に、なぜ19人もの利用者が殺害されねばならなかったのかの疑問には、答えられていません。

 ?饒舌(じょうぜつ)″な被告人は、頻繁にマスコミと接見し取材に応じています。被告は、「障害」者を殺害する理由を明確に答えています。「障害者は人を不幸にする」「コミュニケーションのとれない障害者は生きる価値がない」「障害者は、金と時間を無駄にさせるだけの存在だから安楽死させるべき」。憑(つ)き物がついたように被告人は、犯行当時から揺るがぬ信念に貫かれており1ミリもブレていません。

 被告人の理由は明確ですが、それが殺される側にとって、「なぜ自分は殺されなければならなかったのか」の理由になっているとは到底思えないのです。「意思疎通がとれない人間を安楽死させるべき」だと被告人はうそぶいていますが、意思疎通が取れない人が「障害」者であるのなら、人口の半分くらいは「障害」者かもしれません。意思疎通(コミュニケーション)の定義が、「社会生活を営む人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達」であるとするなら、怪しい人はいっぱいいるのではないでしょうか。

 被告人は、意思疎通を「自分の名前や住所が言えること」と単純化しています。自分の名前が言えないひとを「心失者」と呼び、死ななくてはいけない人間だと決めつける考えにいたるまでに、相当時間がかかったはずです。

 「障害」者という「異形」と出合い、たじろぐひとは多いはずです。ですが、「このひとたちは死ななくてはいけない」などと思う人はそう多くはないでしょう。出合いを重ねるごとに「異形」に慣れ、おぼつかない対話を交わす中から、相手の人柄にたどり着く過程が、意思疎通なのです。この過程の途中で、被告人は、何に躓(つまず)いたのか知ることができれば、なぜ19人もの「障害」ある施設利用者が、職員に殺されなければならなかったのかの手がかりになるはずです。

 私たちは「障害」者福祉の現場で働いています。被告人が3年以上も施設で「障害」者支援をしながら、なぜ彼らを「心失者」と決めつけ、「人を不幸にする」ので「安楽死させる」との考えにいたったのか。この疑問解決へのヒントが、被告人が働いていた施設の環境にあるのではないかと考えるのです。拘置所での接見で、被告人は「施設の仕事は楽でした」「見守りという仕事があるのですが、本当に見ているだけですから」「利用者が暴れた時は押さえつけるだけですから」「そういう仕事(利用者支援)自体に疑問を感じたことは全くありません」と話しています。また、利用者の支援をしているうちに「いつからというわけではなく、徐々に『障害者は人を不幸にする』と思うようになったのです」とも答えているのです。この「(支援に)疑問を感じたことはない」「いつからというわけではなく」の発言に、被告人が「障害」者に対する見方・考え方を身につけた要因が潜んでいるような気がします。

 思うに被告人は決して特異な人物ではなく、好奇心旺盛な普通の青年のような気がします。その普通の青年が、「障害」者支援という仕事を通して「意思疎通のとれない人間は安楽死させるべき」だという考えを抱くに至ったとしたら、施設の責任は極めて重いと言わざるを得ません。

 いうまでもなく、元職員であった被告人の犯行の責をすべて施設に帰すべき、などと荒唐無稽な主張をするものでは毛頭なく、いろんな条件や動機づけが重なって犯行にいたったであろうことは、犯行後の様々な報道や出版物、報告書を読めば容易に理解できます。それでも、施設責任者は、施設を利用する「障害」者に対しては言わずもがな、彼らへの支援を仕事にしている職員の考え方や振る舞いに対しても責を負う、ということだけは肝に銘じておきたかったのです。

 ともあれこの事件が、「障害」者施設で働く職員に突き付けたものは途方もなく重く、今まで「障害」者福祉が積み重ねてきた、「障害」の引き受け方、「障害」あるひととこうありたいと願う関係の築き方への努力を、根こそぎひっくり返しかねない出来事でした。被告人の、「障害」者は生きる価値がないという「考え方」と、19人を殺害するという「行為」との尋常ならざる乖離(かいり)が、なぜ一足飛びに縮まってしまったのかは、いずれ裁判で明らかになろうかと思いますが、施設が職員の「考え方」に多大な影響を与える環境であることに、もっと関心が払われて然るべきだと考えます。
社会福祉法人 弘徳学園
統括施設長 重利政志


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